LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

FRIED DRAGON FISH -Thomas Earwing's Arowana-

FRIED DRAGON FISH

前略、元気ですか?
今日は新幹線で出張してきたよ。で、出張先でぶらぶらしてて見つけたDVDショップで、このDVDが、とても安く売っていたので、買ってしまいました。中古だけどね。

前に『ディーバ』のことを書いたときに見つけたサイトで、「和製ディーバ?」と紹介されているんだ。
http://kzy.com/diva/

もともとはテレビで放送されたんだけど、後から劇場公開もしたらしい。

それで今、帰ってきて、改めて見たところです。改めて見てみたらこの話、ほんの50分程度しか無かったんだよね。

で、その、ほんの50分に結構満足してしまったよ。改めて。

データベースシステムのオペレータとして、街の探偵事務所に派遣されて来たオペレータ、プー・リンウォン。その事務所に持ち込まれた、1千万以上するという高級魚を探す仕事で、データベースを検索したら、それは、常人には測り知れないトップ・シークレットが含まれていた。その秘密を探るうちに、出遭った不思議な少年ナツロウ。彼はテロリストだった・・・

というストーリーです。プーは、芳本美代子、ナツロウは、浅野忠信だよ。

まあ、確かに、『ディーバ』を彷彿とさせるかの様な映像があるね。浅野忠信演じるナツロウの台詞は、序盤、なんか陳腐な印象。まあ、純粋な子供の様な殺し屋、という矛盾した存在で、それを、こんな人物なんです、と紹介する必要があって、時間も短いし、仕方の無いところかな。浅野忠信だからまだましなのか、という気もする。その純粋さが、それ故に、人を殺すことに継がって行く、というような難しい演技をしているよ。

それから、このデータベースシステムが、なんだか、今となっては、変なシステムで、検索条件は、オンラインの端末から入力するけど、結果は、紙でしか出てこない。そんなシステム無いよなあ、なんて思います。それに、このシステムをいじるうちに、普通に暮らしてたら触れることの無い秘密の一端に触れてしまい・・・そして謎解き、という展開ってベタだよなあ、なんて思ったりもします。

あと、最近、テレビの『踊るさんま御殿』で、妙にブレイクしている、あの俳優さんが出ていて、髪の毛がたくさんあるので、おーっ、と思います。

でも。でもさ、いつの間にか、そんな事、気にならなくなってしまうんだよなあ。

別に俺は、純粋な人ゴロシなんて存在、特に見たいわけじゃないぞ、とか、変なシステムだ、とか、髪の毛いっぱいある~~、とか言っているうちに、プーとナツロウの出逢いと別れ、そしてチャラが歌うエンディングを迎えて、いつの間にか、すっかりこの映画を楽しんでしまった僕でした。

50分しかないけど、確かに一編の映画を見た満足感。ちょっと爽やかな気分になるよ。

では、また手紙を書きます。
今度一緒に映画を見に行こう。