LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

丹下左膳 百万両の壺

魍魎の匣―文庫版

前略、元気ですか?
いつの間にか、あったんだか、無かったんだか、よく分からないうちに梅雨も明けて、大阪は相変わらず暑いです。だいたい学生はもう夏休みなんだ、という事に、今の今まで、気付いていなかった僕ですが、そちらはどうですか?僕は暑さのあまり、脳が沸騰しそうだよ。でも、昨日、今日は、少しはましだったかな。

この間、『姑獲鳥の夏』で、つべこべ言っていたけれども、結局、京極夏彦の小説を、読み始めてしまいました。既に2冊目に突入。つべこべいろんな事が書いてあるんですが、分かり易いし、無駄な事が書いてあるわけでもないし、何より面白いよ。
→ http://miyadaic.hatenablog.com/entry/2005/07/17/212000

今読んでいる、2冊目、『魍魎の匣』では、木場という刑事(映画では、宮迫さんでした)が、時代劇映画が好きだという部分があります。それが、偶然ある事件の現場に居合わせたところが、その事件の関係者に、憧れの女優さんが居て・・・、という感じ。

で、今日はたまには、時代劇の話をしようかな、と思っています。

僕はある時期、テレビで放送される、日本の時代劇を、見まくっていたことがあるんだ。何故、そんな時間があったのか、と言うと、大学受験で浪人していたからなんだけど。

その頃は、朝、予備校に行って、午前中は、一応、1コマか2コマ講義を受ける、それでもって、昼前には家に帰って、昼ごろからテレビ東京でやっていた『時代劇アワー』とかってのを見て、あとは、夕方の『水戸黄門』とか『暴れん坊将軍』なんかの再放送も見て、夜は夜でリアルタイムに放送している時代劇を見る、という感じでした。

何故、その頃そんなに時代劇に凝っていたかって言うと、実は、あまり覚えていない。でも、その頃は、なんだか落語にも凝っていたような気がします。と言っても、近くに寄席があるわけでもなく、ひたすら、本とカセットテープだったけど。

で、その頃、時代劇がどんなだったかと言うと、『鬼平犯課帳』が始まって、テレビ時代劇も、ちょっと新しい風が吹いてきたような気もするけど、それ以外は昔のを見た方がおもしろいか、という感じ。ちなみに、NHK大河ドラマは時代劇と言えば時代劇だけど、あれば、大河ドラマ、というジャンルの様な気がするので、除外。

映画に至っては、時代劇作品なんて、全く覚えが無い。最近みたいに、藤沢周平を映画化するなんて、まるで夢のよう、ってな感じだったかな。

それでね、その頃、僕が見た時代劇のヒーローで、一番カッコ良かったのが、丹下左膳なんだ。

ある日、いつもの様に時代劇アワーを見ると、なぜかその日に限って、放送時間が拡大されていて、なにやら片手の侍がチャンバラしている。そのチャンバラシーンがとても斬新に見え、主役の人物設定と、それを演じる藤田まことの破天荒な演技にしびれてしまった。ちなみに、タイトルは『藤田まこと丹下左膳 其之四 彷徨う丑三つの花嫁・江戸城に渦巻く大陰謀!』。テレビ放映のみみたいですが。これは、本当にカッコ良かったんだよ。

この、丹下左膳、いろいろな話があるわけだけど、映画化された中でも、面白いと言われているものに、この壱百萬両の壺、という話があるんだ。

わずか29歳の若さで戦死してしまった早世の天才映画監督・山中貞雄の現存する3本のうちの1本。それまでチャンバラものとして人気のあった丹下左膳を主人公に、擬似家族が織り成すホームドラマ風人情喜劇が展開する。
とある小藩に伝わるこけ猿の壺。実はこの壺に先祖が埋め隠した百万両のありかが示されていることが判明する。だが、壺は先日江戸の道場屋敷に婿入りした弟・源三郎が知らずに持って行ってしまっていた…
allcinema online丹下左膳餘話 百萬兩の壺
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=131397

僕はこの作品は、まだ見たことが無くて、どんな風なんだろう、と思うだけだったんだけど、ナント、この話、豊川悦司主演で、最近映画化されていました。知らなかった・・・。

というわけで、古本屋で、この豊川版百万両の壺のDVD を見つけたので、早速見てみました。

なんだか、眠くなったので、感想は明日・・・。