LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

姑獲鳥の夏

姑獲鳥の夏

■ 公式サイト
http://www.ubume.net/
 
大極宮
http://www.osawa-office.co.jp/

 
前略、元気ですか?
今日も映画を見て来ました。『姑獲鳥の夏』です。

ところで、突然なんだけど、RCサクセションにこんな歌があるんだよね。

OH~ 君と話した
長い長い電話 2時間35分
AH~ 話は尽きない・・・
RCサクセション : 2時間35分

要するに、君と電話で2時間35分も話してしまったね!という歌なんだけど、僕と君にもそんな時があったよね。2時間35分なんか余裕で超えて、5時間くらい話してた気がする。ま、僕の友達には、7時間彼女と話したというヤツもいたけれども。

それで、ああいう時って何か重大なコトを話しているのかと言えば、そんなことは無くて、だいたいお互いテレビなんか見ながら、くだらない話に終始してる。結構無言の時間があったりしてさ。

で、そんな風に君と電話で話していて、僕が君にとても怒られた事があったんだけど、君は覚えてる?

いったい何の話をしているの?
それがこの映画と何か関係あるの?

という君の声が聴こえてきそう。いや、覚えてないなら、良いよ。気にしないで。

 
さて、『姑獲鳥の夏』です。
と言っても、僕は、京極夏彦の作品は読んだことが無いんだ。何故かって言うと、尋常じゃなく厚いじゃない?読みにくそうじゃん?
というのは冗談で、まず、タイトルや表紙の絵やなんかから想像するに、この世の者ならぬ者達の物語を書いているに違いない。筆力ありそうだよなぁ。
さらにあの厚さを読ませきるということは、そりゃあ尋常じゃない面白さに違いない。
しかも一応ミステリーに分類されている?ということは、その物語になんらかの解決を与えているわけだ。そんな面白そうなもの読んだら、はまってしまう!
はまってしまって、この人の話を読み始めたら、どうせここに積んであるのを全部読むことになるんだろうなぁ…。時間かかるよなぁ。
…という感じで、そこに費やす時間に恐れをなして、これまで読まないことにして来たんだ。

そんなこんなで、結構期待していた僕ですが、結果は、うーん、今ひとつ、と言ったところかな。

この京極堂って人、よくしゃべるんだけど、最後の最後まで行動しないじゃない?なんか人間関係のダイナミックな展開がなくて、ちょっとだけ飽きてきてしまいました。
その代わりに関口君の物語があるんだけど、なんだかあんまり納得感がなかったかな。

この映画が面白かったかどうかって、「最後に京極堂が与えた解決に、納得せざるを得ないんだけど、でもそういう事を起こした人間という存在に対する怖さはぬぐえない。」みたいな感じがどのくらいするか、がポイントなのかな、と想う。

それで、これは想像なんだけど、小説ではそれを造りだすのは、あの京極堂の長弁舌であり、それによって読者に起こってくる思考なのかなあ、と想うんだ。まあ、それだけじゃないんだろうけど。

映画には、まあ、もう少し何かが必要だったのかなあ、なんて思いました。

ところで、この映画のヒロインは原田知世が演じています。久遠寺家の二人の娘と、それから他も合わせて都合、4役を演じています。良かったか、と言うと、腹八分目、という感じかな。

最近読んだ、ラーメン漫画(なんだそりゃ?)で、和食やフレンチの職人が、ラーメン屋になってもなかなかうまく行かない理由のひとつに、コース料理では全体の調和を乱さない為に、1品だけで満足するような味付けはしないし、量も出さない。おいしいんだけど、腹八分目という様にする。だけどラーメンは、その一品でお客さんを、満足させなきゃいけないんだ、みたいな事が、書いてあったんだけど、まあ、そんなコトです。

だけど、腹八分目だったとしても、僕は満足しました。何故かって言うと、原田知世のファンだから(笑)だってしょうが無いじゃん?中学時代毎週彼女のラジオを聴いて、彼女のCDはこの10年くらいのヤツは全部持ってて、出演している映画は殆ど見てるんだよ。誰でもそんな対象が、一人くらい居るんじゃない?君の○ット・○イモンみたいにさ。
→ http://miyadaic.hatenablog.com/entry/2005/03/02/235354

というわけで、この映画、それなりに満足しました。別に過去の金田一耕介より、つまらなくもないし、浅見光彦よりつまらなくもない。原田知世が出ているし。原田知世が出ているし!相変わらず綺麗だし。

ところで、今年は、まだ彼女の映画あるんだよ。
さよならCOLOR
http://www.zaziefilms.com/sayonara-color/
http://www.sayonara-color.com/

竹中直人です。SUPER BUTTER DOG だよ。ハナレグミだよ。
こりゃ、絶対見なければ。

さて、そろそろ、僕達がテレビ見ながら電話で話してて、君が怒ったワケ、思い出した?その時の会話。

君:でしょ?
僕:・・・・・。
君:そう思わん?
僕:・・・。・・・・・・。
君:?どうしたの?
僕:・・・・・。・・・・・・。・・・・・・・。
君:お~い?!
僕:あ、ごめん。原田知世のCM見とった。思わず集中しちゃった。
君:ム~!!!!

では、また手紙を書くよ。
今度、一緒に映画を見に行こう。
原田知世の出てないヤツでイイからさ。