LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

Love Letter

Love Letter [DVD]

前略、元気ですか?
最近、と言っても、そんなに最近のことでもないけれど、世の中には、衛星放送ってものがあるよね。CSに、「日本映画専門チャンネル」というのがあるそうです。システム開発なんて言うシゴトをしながら、なぜかCS放送を見たことが無いし、iPODにも触れたことも無い、というこんなんで良いのか?!状態の僕です。

その日本映画専門チャンネルでは、「24時間まるごと○○○」という企画があるらしく、この間は、「24時間まるごと岩井俊二」だったそうです。

CS日本映画専門チャンネル : 24時間まるごと岩井俊二
http://www.nihon-eiga.com/0506/0506_01.html

花とアリス」から始まって、ダーっと岩井作品が並んでいます。あー、こりゃいいなぁ。見た人がうらやましい、なんて思ったよ。その中から今日は、『Love Letter』です。

■見た人 → helloalive : Love Letter [24時間まるごと岩井俊二]
http://www.helloalive.com/index.php?ID=147

なぜ、この映画かと言うと、

拝啓、藤井樹さま。あなたは誰ですか?

そうなんだ。この映画の物語は、手紙をきっかけにして始まるんだよね。人は、何か想いを伝える為に手紙を書く。だからかな、「ペンパル」だとか「ペンフレンド」というコトバには、気恥ずかしさと共に、何か僕達のココロを動かすものがあり、手紙に関するいろいろな物語が生まれてくるんだと思う。

天国から届く手紙もあれば、
→ http://miyadaic.hatenablog.com/entry/2005/07/02/222832

天国に届いてしまう手紙もあるんだなあ。

 
そんなコトを思いながら、この映画について、他の人が書いたものを読んだりしていたら、こんな記事を見つけました。

冬のソナタから :
喪失 ? 『Love Letter』 【前編】/再生 ? 『Love Letter』 【後編】

http://ulom.exblog.jp/pg/blog.asp?eid=a0019494&iid=20&acv=&dif=&opt=2&
srl=2089345&dte=2005%2D07%2D11+21%3A13%3A16%2E000

http://ulom.exblog.jp/pg/blog.asp?eid=a0019494&iid=20&acv=&dif=&opt=1&
srl=2084300&dte=2005%2D07%2D09+22%3A15%3A28%2E000

この映画のいろいろなシーンを振り返っていて、これを読むうちにだんだんとこの映画の記憶が甦ってきました。うん、そうだった。この映画を構成するもの達、人々、そしてこの物語、僕の琴線に触れるものがたくさんあった。

まず一つはやっぱり手紙。中山美穂演じるところの、渡辺博子がもう亡くなってしまったかつての恋人、藤井樹に出す手紙。そして、それは、これまた中山美穂が演じるもう一人の藤井樹にとって、見知らぬ人から届く不思議な手紙であるわけです。

それで、次は何だろう。中山美穂が2役を演じている、博子と樹、この2人が抱える、死、だろうか。この2人は、一方は恋人、一方は父親の死を抱えているんだよね。

それに、図書館、かな。藤井樹は図書館司書なんだよね。いや、僕が図書館好きだとか、そういうハナシではないよ。図書館というのは、いろいろなものが詰まっていて、なんていうか人間の記憶が保管されているところじゃない?そこで人はココロの旅をするわけでしょ。博子との手紙のやりとりをきっかけに、樹は自分の記憶を辿る旅をする、そんなことを象徴しているような気がする。正に『失われた時を求めて』というわけです。

そしてね、極めつけだと思うのが、貸し出しカードだよね。いまどきの図書館では、こんなものを使っているところはもうないのかも知れない。ちなみに、ソフトウェア関係の考え方の中に「オブジェクト指向」というのがあるんだけど、この「オブジェクト指向」の教科書には、よく図書館システムの例が出てくるんだ。というハナシはどうでも良くて、あの貸し出しカードって、これまでにどんな人がその本を読んだのかっていう記録にもなっていて、あれを見てその本を読んだ人々やその本が過ごしてきた時間に思いを馳せたりしたことない?

あれ?

あのさぁ、あなたのハナシを聞いてても、どんな映画か全然分からないんだけど。
ま、いいんだけどさ。

という君の声が聞こえてきた。あー、そうだったかな?
確かに、もし、この映画見たこと無いんだったら僕がつべこべ言うのを聞いているより、見た方が良いかも知れません。

僕がこの映画を初めて見た時の感想は、上に書いたようなものを組み合わせて構成されている物語、身近な人の死を抱える博子と樹という2人の女性が、不思議な手紙のやりとりをきっかけに、一方は、恋人の死を克服するココロの旅をして、もう一方は、自分の忘れていた過去を再体験するココロの旅をする。そして周りの人々の想い。
なんて映画だ!という感じだった。お薦めだよ。

そして、この映画を見たら、是非感想を聞かせて下さい。

では、また手紙を書きます。
今度一緒に映画を見に行こう。