メリンダとメリンダ Melinda and Melinda
■ 公式サイト
→ http://www.foxjapan.com/movies/melinda/
前略、元気ですか?
今日は、朝から雨が降っているし、昨日からやっている模様替えの続きをしようかな、と思っていたんだけど、思い直して、映画を見て来ました。
そう、ウディ・アレンの映画、『メリンダとメリンダ』です。この間、『さよならさよならハリウッド』の時に、見なくちゃ!って騒いでいたのに、結局、見逃してしまったので、今回は、見ることができるうちに見ておこう!と思ったわけです。
雨だというのに、今日行った映画館のあるビルは結構混んでいるなあ、と思ったら、『メリンダとメリンダ』とやっている下の階で『逆境ナイン』をやっていました。そっちを見に来ている人が多かったみたい。『逆境ナイン』の原作の漫画家さんは、僕はあまり好みじゃないので、そんなに面白いのかなあ、と思うんだけど、まあ、それはそれ、これはこれ。なんのこっちゃ。
カフェだかレストランだかで、数人の人々が語り合っています。
人生の本質は悲劇だよ。
分かってないなあ、喜劇こそが人生だよ。
こんな議論なんて不毛だわ・・・
とか、なんとか…。悲劇作家と、喜劇作家が言い争っています。そのうち、そのメンバーの一人が言い出します。
今から僕がある話をするから、それが悲劇か喜劇か言ってくれよ。ある若い夫婦が夕食を食べている。そこに別の女がやってくる・・・
こうして、悲劇作家と喜劇作家がそれぞれのストーリーを語り出し、映画はその2つの物語を映し出す。
という映画でした。劇作家が、ストーリーを語り、それが映像になる、というアイディアはこの間書いた『パリで一緒に』にちょっと似ているよね。
→ http://miyadaic.hatenablog.com/entry/2005/06/26/220613
僕は、こんなの大好きなので、もう嬉しくなってしまいました。スクリーンで展開する悲劇と喜劇の主人公は、メリンダという女性です。それぞれに友人達がいて、出逢いがあり、そのうち、男性とつき合い始めます。かわりばんこに悲劇と喜劇に話が切り替わるんだけど、だんだんその境界があいまいになってきます。どっちが悲劇でどっちが喜劇なんだっけ?という感じ。
悲劇だ、喜劇だって、結局、物事の捉え方の問題で、同じ事柄でも、悲劇であり、喜劇であるんだ、というのは、まあ、わかりきったことだよね。
そして、人生は悲劇だ、とか、いや、喜劇だ、とか言っても、それは結局、僕達の日常から産まれてきて、日常に存在していて、その僕達の日常、っていうのは、大層なものから出来ているワケではなくて、言ってしまえば、矮小な事柄が積み重なって出来ているんだ。
パーティーで知り合ったちょっとイイ男とつき合い始めるけど、そいつが自分の親友の筈の女と寝てしまう、とか、奥さんが仕事関係の男と出来てしまう、とか、なんて言うかさ、昼の連続ドラマの10倍くらいありそうな事でしょ。
『人生は』なんて言っても、その人生は結構、しょうもないことの積み重ねで、だから、それが、悲劇でも喜劇でも、どーでも良いかなあ、なんて、この映画を見ているうちにそんな気分になりました。
そんなしょうもない人生に僕達は結構一生懸命になってしまうんだよなあ、とか。そんなしょうも無いことに、一生懸命になってしまう僕達っていうのは、悲劇的な生き物なのね、とも言えるし、それが喜劇なんだとも言えるよね。
そう言えば、この映画、良かったのか悪かったのか、まだ書いてなかったね。とても面白かった!面白かったけど、ウディ・アレンに対する僕の期待値はとても高くて、それを超える程ではなかったかな。
この映画のパンフレットに、ウディ・アレンの父親は100歳まで生きたので、彼も同じ歳まで生きて、毎年一本の映画を撮るとすると、僕達はあと、31本の彼の映画を見ることが出来る、と書いてありました。僕も、そうなって欲しいと思います。
じゃあ、今日はこの辺で終わります。
また手紙を書きます。
今度、一緒に映画を見に行こうよ。
■ウディ・アレン のファン・サイト
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