LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

赤い橋の下のぬるい水

赤い橋の下のぬるい水 [DVD]

前略、元気ですか?

随分久し振りの手紙になってしまいました。

 

ゴールデン・ウィークも、

半ばを過ぎたというのに、やっぱり仕事ばかりしています。

こんなに仕事ばかりしていて、

なにか良いことがあるんだろうか?なんて気分にもなってきます。

 

今日、仕事帰りの電車の中で、

そんなことをぼんやり思っていたら、

こんな歌を思い出しました。

 

すばらしい、日々だ
力あふれ、すべてを捨てて僕は生きてる。
それでも君を、思い出せば、
そんなときは、なにもせずに、眠る、眠る
(『すばらしい日々』ユニコーン

 

この歌は、別れてしまった恋人への気持ちを歌ったもので、

「君は僕を忘れるから、そうすれば僕はまた君に会いに行ける」

なんて歌詞だったと思うけど、別に深い意味はないよ。

 

ただ、君のことを考えていたら、

なんとなくこの歌を思い出して、

今の僕は仕事ばかりしていて、

なにもせずに眠ることも許されないなあ、と思ったんだ。

こんな僕に君はあきれているかも。

 

そんなことを思っていたら、

いつの間にか、電車の席で眠ってしまい、

乗り換える駅を過ぎて、終点まで行ってしまいました。

 

 

こんな毎日で、新しい映画も見ていないし、

取り立てて、君に伝えなきゃならない事もないんだけど、

最近あった良いことと言えば、

通勤途中の駅に結構おおきな本屋を見つけたことです。

 

僕の仕事場の最寄り駅の、1つ隣の駅に、あったんだ。

1つ隣の駅でわざわざ降りてみることもないので、

今まで気付かなかったんだけど、歩いても10分もかからないんだ。

 

結構大きくて、

漫画がたくさん揃っています。

CDやDVDやゲームも売っています。

問題は新刊本を置いていないことだね。

なぜ新刊本を置いていないかと言うと、BOOK OFF だからです。

 

夜も11時まであいているので、

朝、普通の本屋が開く前に出勤して、

普通の本屋がとっくに閉まってから帰るという僕の生活でも、

運よく間に合えば、

本が買えるということで、

今よりは、少しましな生活ができるかも知れません。

 

今日はさっそく、

中古のDVDを買ってきました。

 

赤い橋の下のぬるい水

 

この映画は、僕は見逃してしまっていて、

テレビで放送された時に、ほんの30分くらいチラ見した程度。

 

だから、どんな話か知らないんだけど、君は知ってる?

 

何年か前に、君と2人で遊びに行こう、

という話をしていて、僕が、スーパーカミオカンデに行きたい、

と言ったことがあったと思うんだけど、覚えてるかな?

 

スーパーカミオカンデというのは、岐阜県の神岡というところにある、

素粒子観測装置のことで、地下1000メートルという深いところにあります。

 

この施設は、今はどうか知らないけど、

一般の人が見学できるみたいなんだよね。

 

僕が30分だけ、チラ見した中に、

役所広司清水美砂が扮するカップルが、

ここを訪れるシーンがあって、君と、「どこに行く?」

という話をした時に、

ふと思い出して言ってみた、というわけ。

 

地下のものすごく深いところで、

そんな最新の物理の研究が行われているなんて、

ちょっとおもしろそうでしょ?

 

それに、そんなまじめくさった場所で、

係の人がまじめに説明かなんかしている傍で、

心に秘めて持ち込んでいるのは、不謹慎にも色恋のこと…。

 

魅力的で、やってみたくなるイタズラじゃない?

 

 

こんなシーンのあるこの映画、

どんな映画だったかは、DVDを見てから、また書くよ。

 

それじゃあ、次の手紙まで。

今度、一緒に映画を見に行こう。