バーバー吉野
前略、元気ですか？
僕は、昨日の夜、
なぜか目が冴えて、眠れなくなってしまいました。
テレビを点けたら、２つの局で、映画を放送していました。
ひとつは、「アキラ」、もうひとつは、「四季・奈津子」です。
両方とも、見たことがあって、
改めて見るとすると、どちらを見るか、迷うところ。
迷うくらいなら、さっさと寝ようと思ったんだけど、やっぱり眠れない。
風邪ぎみで早く帰ってきて、
一眠りしてしまったせいで眠れないんです。
それで、思い出した、「バーバー吉野」。
なぜか僕の部屋にこの映画のDVDがある。
この前、東京から友達が遊びに来た時に、彼は、
ポータブルＤＶＤプレーヤーなるものを持っていて、
新幹線でＤＶＤを見ながら来たんだ。
そして、自分が持ってきたこのＤＶＤを、
やおら僕の胸に押し付け、自分は、僕の「エビータ」を、
後で返すから、と言って持ち帰って行った。
というわけで、「バーバー吉野」を見ました。
この映画は、
PFF（ピア・フィルム・フェスティバル）
→http://www.pia.co.jp/pff/index.html
のスカラシップ作品で、監督しているのは、若い荻上直子さんという女性です。
確か、スウィング・ガールズの矢口史靖監督も、
このPFFで出てきたんじゃなかったかな。
新しい映画監督を発掘しようという趣旨のもとに開催されているわけです。
それで、どんな映画なのかちょっぴり期待しながら見ました。
設定がおもしろいよ。
ある田舎町。そこに住む男の子は、
全員同じ髪型をしなければならない。
その名も「吉野刈り」。
全員をこの髪型にしている。
それが、この町の伝統。遥か昔から続いているらしい。
そこに、東京からの転校生がやってくるが、
彼はもちろん、吉野刈りじゃありません。
彼も、吉野刈りにしなければいけないのでしょうか？
おもしろそうでしょ？
ちなみに、吉野刈りは、前髪が一直線に揃って、
お笑いの、ワッキーという人の髪型みたいな感じです。
こんな設定で、繰り広げられる物語は、
転校生も含めた町の子供達の友情あり、
冒険あり、大人達への反抗あり、親子の語らいあり。
DVDのパッケージに『和製「スタンド・バイ・ミー」』と、
書いてありますが、まあ、そんな感じ。
僕の感想は、とても面白いけど、
いまいちかなー。という感じでした。
和製「スタンド・バイ・ミー」という言葉が、
あらわす通りの（ストーリーも含めた）情景を切り取った、
という感じがしました。
それはそれで、悪くないんだけど、
せっかくのおもろい設定が、
結局、見る人の興味を引く為のものでしかなく、
こんな面白そうなことを提示しておきながら、やりたい事は、
この今の日本人の郷愁を切り取って見せることだけだったの？
という風に思ってしまいました。
子供達には、もっと「吉野刈り」の謎にせまるとか、
もう少し、心躍る冒険をさせて欲しかったかなー。
僕は、ネーミングが「吉野刈り」なので、
絶対、吉野ヶ里遺跡と関係あると思って見てました。
きっとこの子供達が、古代の謎＝吉野刈りの謎、に迫るんだ、と。
そして、山の上で歌われる賛美歌とか、
他の謎にも迫っていくんだろう、なんて。
そうならなかったから不満に思っただけかも知れないけどね。
この映画、冒頭の山のシーンとか、
日本の田舎なのに、イタリア語の歌を歌う奴がいたり、
設定も含めて、不思議な面白さを感じさせるところはたくさんありました。
DVDにはメイキングなんかもあって、新人監督の大変さとかも、
少しだけ垣間見れますが、これからも面白い映画を撮って欲しいものです。
さて、この荻上直子監督の別の作品、
「恋は五七五」というのが、何箇所かで今公開されていて、
これからだんだんといろんなところで、公開されるらしいです。
大阪は５月とか。ちなみに君の住む街で公開されるかどうかは、
まだ分かりません。人気次第かな。
こんどは、高校生が俳句甲子園に出場する！？
という話みたい。これも面白そうだね。
（俳句甲子園って、そんものあるのか？）
では、また手紙を書きます。
今度、一緒に映画を見に行こう。
PFFサイト
→http://www.pia.co.jp/pff/barbar/
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distan日誌／バーバー吉野
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こころのつぶやき。ひとりごと。／昔見た、映画！！ ｢バーバー吉野｣
