LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

熱にうかされ、連想ゲーム?

前略、元気ですか?

僕は昨日ひいてしまった風邪が治らず、

というかちょっとひどくなってしまい、

朝から頭はボーっとしているし、

咳とくしゃみがひどくて、どのくらいひどいかと言うと、

咳とくしゃみのし過ぎで、腹筋が筋肉痛になっているくらい。

周りに、もう帰れ、と言われ、すごすご引き上げてきました。

で、そんな状態で、君への手紙に何を書こうとしているかって?

うん。今日は挑戦です。

何に?

万延元年のフットボール

いや違う。

1973年のピンボール

これも違う。

忘却の彼方での連想ゲーム。

なんのこっちゃ。

前回の「ピアノ・レッスン」の、

amazon の情報を見ていたら、

ピアノ・レッスン」の関連商品の先頭に、

ベルリン・天使のうた」が、出てきました。

この映画は、

僕が高校生の時に公開された映画で、

その頃からテレビのコマーシャルで、

映画の宣伝をやる様になったような気がする。

この映画の宣伝というか、何名様ご招待とかいうのを、

何回も何回も見た気がします。

俳優のピーター・フォークが、俳優のピーター・フォークの役で、

出演しています。実は天使なんですが。

それで、さらに、

「ベルリン・天使のうた」の関連商品を見ると、

時の翼にのって」が。

これって、あれだ。どれだ?

あの、人間の夢を映像化する眼鏡を発明した人が出てくる映画。

探偵ナイトスクープ」というテレビ番組で秘書役の、

岡部まりさんが、エッセイで、

ヴィム・ヴェンダース監督はついにこんな映画を作ってしまった
(正確な引用じゃありません。)

と書いていた映画。

それを読んで、

早速ビデオを借りてきて見た僕も、

結構衝撃を受けました。

自分の夢の映像を見ることに夢中になるあまり、

全ての活力を失ってしまう人々。

と、思っていたのが、おとといまでの話。

昨日の朝、思いました。

その映画は、「時の翼にのって」じゃ、ないだろ!

「時の翼にのって」は、

「ベルリン・天使のうた」の続編みたいな奴で、

見に行くか行かないか迷っているうちに公開が終わってしまい、

僕は見ていないはずだ。

じゃあ、この夢を映像化する眼鏡、

が出てくる映画は、何だったか?

・・・思い出せない。どう考えても思い出せない。

ヴィム・ヴェンダース監督だったのは確かだ。

と思って、いろいろ検索してみるが、分からず。

と、ここまでが昨日の話。

今日の仕事中に、突然ひらめきました。

きっと、風邪の熱のせいで、

神経回路の接続がいつもと変わったんだと思う。

たまに風邪をひいてみると、

こんな良いこともあるってことです。(ホントかな。)

というわけで、思い出しました。タイトルは、

夢の涯てまでも

これに違いないです。ちなみになぜ、

amazonで検索してヒットしなかったかというと、

監督名が、「ビム・ベンダース」になっているからだ。

「ヴィム」、「ビム」、「ヴェンダース」、「ベンダース」・・・

ところで、All cinema online というサイトの解説を見ると、

米・日・独・仏・豪の五ヶ国合作による世界ロケの他、NHKの全面協力によるハイビジョンの導入など何かと話題の多かったヴィム・ヴェンダース監督による近未来SF。

 1999年、核衛星の墜落が予測され世界は恐怖におののいていた。ヴェニスからあてもなく車で旅に出たクレアは道中、何者かに追われているトレヴァーと出会い、彼の後を追うことにする。元恋人の作家ユージーン、私立探偵ウィンターと共に、リスボン、モスクワ、北京へとトレヴァーを追うクレア。実はトレヴァーは、盲目の母親の為に脳に映像を直接送り込む事のできる父の発明したカメラを持って、世界中を旅していたのだ……。世紀末最期のロード・ムービーとでも言うべき内容でヴェンダースらしいコンセプトではあるが、いつもの旅に感じられた淡い感慨はテクノロジーに埋没したきらいがある。

となっていて、夢を映像化する眼鏡なんて全然書いてない。

もしかしたら、違う映画かも知れません。多分あってると思うんだけど。

さて、さて、ヴィム・ヴェンダースと言えば、もうひとつ。

何年か前、友達の結婚式で、

昼間から渋谷で酒を飲んで帰ろうとしていた僕が、

なかなか帰れなかったことがあります。

なんで、なかなか帰れなかったかというと、

渋谷から家に帰る為に、井の頭線という電車に乗ったんだ。

井の頭線というのは、渋谷-吉祥寺間を走る電車で、

僕は、その途中、明大前という駅で乗り換えなければなりません。

でも、ちょっと酔っていたせいで、

電車に乗ると、すぐ寝てします。

で、気がつくと、あ、もう吉祥寺まで来ちゃってる!

仕方が無いので、反対の渋谷行きに乗ったんだけど、

気がつくと、おぉー、もう渋谷やん!

それで、また吉祥寺行きに乗り換えて、

気がついたら、また吉祥寺!

酔っていたので、何回繰り返したか、覚えていません。

僕は思いました。

なんだ!?この繰り返しは。

なんか、こんな映画見たことあるぞ。

マルホランド・ドライブ」か?

いや、違う。これは、デビッド・リンチのなんか良く分からん奴だ。

これじゃない。これじゃなくて、僕が似ていると思った映画は、

マルホランド・ドライブ」じゃなくて、

朝起きると、記憶をなくしている男のハナシだ。

・・・・うーん。思い出せない。

これはまだ思い出せていません。

もし、分かったら教えて下さい。

朝起きると記憶がなくなっている男の話です。

まあ、それは置いといて、話をヴィム・ヴェンダースに戻します。

この井の頭線行ったり来たり繰り返しの呪縛から逃れる為に、

僕は、一旦、吉祥寺の駅で電車を降り、駅の外へ行ってみました。

そしたら、近くに、CD屋さんがあって、

そのCD屋でガンガンにかかっていたのが、

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」。

キューバ音楽のCDです。

このアルバムの制作には、ヴィム・ベンダースがかかわっていて、

レコーディングの様子をドキュメンタリー映画にしています。

キューバ音楽と言えば、

この「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」と前後して、

日本では、作家の村上龍が、キューバ音楽に傾倒して、

自分でレーベルを作ったりして、キューバ音楽を日本に紹介していました。

そんな村上龍が作った映画が、「KYOKO」。

この映画は良かったです。

とても良い。それより前に、村上龍が作った映画と較べると、

もう雲泥の差。素晴らしいです。

主演は高岡早紀だけど、日本人は殆ど彼女しか出てきません。

基地の街で寂しい子供時代をおくっていたKYOKOは、

ある米兵が教えてくれた、ダンスを支えに生きてきた。

そして、成長した後、自分にダンスを教えてくれた米兵に会いに行くが、

彼は、エイズにかかっていて、とても危険な状態。

KYOKOは、彼を生まれ故郷のキューバまで連れて行くことを決心します。

村上龍は、どこかで、優秀なダンサーというのは、

ただ、足を振り上げる一瞬の動作だけで、観客を魅了することが出来る、

それは、ただ、訓練によって成し遂げられることなんだ、

という様なことを書いています。

そんな存在を象徴しているのが、

高岡早紀が演じるKYOKOという役なのかな、

と思います。

映画の中で踊る高岡早紀=KYOKOは、

かわいく、美しく、そして、強く、とても素敵です。

ところで、ダンスと言えば、

何年か前に、何を上映しているのかも知らずに、

時間つぶしの為に、偶然入った映画館で見た映画に、

リトル・ダンサー」があります。

イギリスの話。

近くの体育館で開かれている、

ボクシング教室に通わされている少年。

でも、ボクシング教室の隣で、女の子達が習っている、

バレエ教室が気になって仕方が無い。

どうしてもバレエに魅かれてしまう彼。

そんな彼が、バレエダンサーになっていくというストーリーです。

これもとても良かったです。オススメだよ。

さて、さて、ダンスと言えば、もう一つ。

日本の映画「」。

この映画、全然受けなかったみたいだけど、

僕は、とても良かったと思います。これもオススメです。

ちなみに、あの、熊川哲也が出ています。

この人、すごいダンサーにして、顔も良い。

しかもこの映画でラジオのDJをする役をやっているんですが、

その様子はとても堂に入っていて、

ほえー、世の中にはこんな奴もいるんだな。なんて思いました。

相手役の羽田美智子もとても良かったと思います。

とても素敵な映画なんだよ。

あー、疲れて来ました。

風邪の熱の中で、思いつくまま書いてみました。

今日は、もう寝ることにします。

また手紙を書きます。

今度、一緒に映画を見に行こう。