LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

ひみつの花園 vol.002

前略、元気ですか?

久し振りの手紙になってしまいました。

こんなに間があいてしまったのは、

仕事が忙しかったせいもあるけど、

この、「ひみつの花園」のことが、どう書いても、

うまく君に伝わる様な文章にならない、というのが原因でした。

そこで、

あきらめました。

前回、主人公咲子が、

生きる目標を見つけた。

というところで、終わっているんだけど、

続きは見てください!

はあ、なんか情けないけど、『スイング・ガールズ』のDVDも発売されたことだし、

もし、買うんだったら、『ひみつの花園』も一緒に買うといいよ。

僕としては、

『スイング・ガールズ』と『ひみつの花園』、

どっちが面白い?

と聞かれると、『スイング・ガールズ』には、音楽という要素があって、

コンサートに出られるか、出られないのか?というラストの臨場感もあり、

捨て難いんだけれども、

やっぱり、『ひみつの花園』です。

この映画には、いろんな良いところがあって、

だから、うまく表現できないんだけど、

君も知っての通り、僕はものを造る仕事をしているでしょ?

(と言っても、コンピュータのソフトという実体があるんだかないんだか、

わからないようなものだけどね。)

その中で時々感じるんだけど、本当に良いものを造るには、

良いものを造ろうという、意思が必要なんだと思う。

そんなのあたり前だけれど、

”仕事”という場面になると、

みんながそういう意思を持ち続けることは、

なかなかに難しいことなんだ。

同じ監督の映画を、

『ウォーター・ボーイズ』、『スイング・ガールズ』と見てくると、

『スイング・ガールズ』では、だいぶソツがなくなってきたな、

という感じがします。

もちろん、ソツがなくなってくるというのは、

方法論がある程度確立されてくる、という事で、

そうなって初めて実現できることもあって、

『スイング・ガールズ』は、集大成という感じがする。

でも、初期の段階では、

やっぱり、良いものを造ろう、という意思が大事、

それがものを言うと思うんだ。

多分僕は、この『ひみつの花園』という映画から、

そんなものを感じたんだと思います。

というわけで、いつまでも、

悩んでいても仕方がないので、

この映画については、これでひとまず終わりです。

でも、また、何か思いついたら、書くかも知れません。

なんか、ちょっと情けない気もするけど、

まあ、許してください。

では、この辺で。

また、手紙を書きます。

今度、一緒に映画を見に行こう。