LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

天賦の才(2) グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

こんばんは。

昨日 の続きです。
どの映画だかバレバレ、って感じかな?

「天才」が出てくるというのと、
監督の名前からちょっと調べれば分かると思うし。

それに、君はこの映画の、
主演俳優を、好きだって言ってたよね。
カッコ良くて、演技もうまくて最高だとか、絶賛状態だったな。

去年、いや、一昨年か。
「ボーン・アイデンティティ」で、アクションもやってたね。
続編が今公開中か。

また絶賛する君の声が聞えてきそう。
顔が良くて頭脳派で、アクションもできるし、
悪いところが無いなんて思ってるでしょ。

あんまり君が絶賛すると、僕は嫉妬してしまうよ。

それはさておき。

今日とりあげるこの映画、主人公ウィルは、
幼児期に虐待を受けたことが原因で、
心を閉ざしている、というか、荒れた生活をしています。
でも、実は天才的な頭脳を持っていて、その頭脳を、
自分に関わってくる人々の弱点を突き、
ばかにする為だけに使っているので、
とても始末に終えない。

彼がそんな生活を抜け出すきっかけは、
清掃のバイトをしていた大学の廊下に書かれた、
難問に解答したことでした。

ある数学教師が、
非常に難しい筈の問題を掃除のバイトが解いたことに
驚き、彼の世話を買って出ます。
けんかで人を殴ったことで、警察ざたになっていた彼の
保護師になるわけです。
条件は、数学の勉強と、カウンセリングを受けること。

こうして彼は、定期的にカウンセラーの面接を受けることに。
ところが、彼の態度にどんなカウンセラーも手に負えず、
逃げてしまいます。

そこで、満を持して(?)登場するのが、
ロビン・ウィリアムズ扮する、心理学者マクガイアー。
しかし、マクガイアー自信も実は癒されない傷を持っており、
最初は、いつもの様に、その弱点を天才的に頭脳で見抜き、
それを突いて見るウィル。

ところが、マクガイアーの反応は、
それまでのカウンセラー達とは少し違う。
それまでの相手は、弱点を突かれると、彼を拒絶し、
逃げるだけだったが、マクガイアーは、自分の傷は傷として、
認める態度を見せる。

そして、逆に、ウィルの態度の悪いところは悪いと言い、
そこに隠れたウィルの、結局は他人とまともなかかわりを持つことを、
を恐れている気持ちを指摘もする。

こうしてなんとかウィルとマクガイアーの間に、
定期的な面接という形でコミュニケーションが成立し、
二人の交流が始まることになる・・・

僕はこのあたりからの展開が、
この映画の面白いところだと思います。

マクガイアーとの対話によって、ウィルの心は、
徐々に、過去の呪縛から解き放たれていくんだけれども、
この時のマクガイアーのひとつひとつの言葉が、
ウィルを解放へと向かわせて行くように、思いました。

この映画を見た時、もし、ビデオかDVDで、
もう一度見る機会があったら、このマクガイアーの、
ひとつひとつの言葉をゆっくりおさらいしてみたい、
と思ったのを覚えています。

だから僕にとっては、
この映画は、「解放」の映画です。

マクガイアーのひとつひとつの言葉が、
ウィルを解放して行く。
そして、ウィルとの対話によって、マクガイアー自身も、
それまで癒されなかった過去の傷から自分を解放することになる。

この映画も、昨日の「小説家を見つけたら」も、
才能ある若者を大人が導くんだけれども、その導き手もまた、
心に傷を持っている、良く似た構図を持っています。

でも、僕にとっては、
この映画は、「解放」だし、「小説家を見つけたら」は、
昨日書いたように、「交流」や「友情」かな、と思うわけです。
似ているようでいてちょっと違う。監督は同じ。
(脚本はもちろん違います。)

あと、良く似ているなあ、と思ったのは、
両方とも、野球のエピソードが出てくるところ。
「小説家をみつけたら」のフォレスターにとっても、
この映画のマクガイアーにとっても、
野球場が、自分の心の傷ともつながる大切な場所なんだよね。

ま、単にアメリカ人は野球が好き!
というだけのことかも知れないけどね。

それから、昨日の「小説家をみつけたら」を、
見る機会があったらよくチェックして欲しい。

映画の最後の方に、
サンダーソンという名前の弁護士が出てくるけど、
この俳優は・・・、
そう、君が大好きな今日の映画の主演俳優です。

というわけで、もし、レンタルで、
借りてきて見るような機会があったら、
この2つの映画、見比べてみるのも面白かも知れない、
と思います。

まあ、こんなところで、今日の手紙はおしまいです。


でもね。
この才能ある少年、もしくは天才シリーズ、
この2つでおしまいと思うでしょ?

明日に続きます。

もともとは、僕は今日のこの映画と、
明日の映画が好きで、君にその話をしたいな、
と思っていたんだけど、さらに昨日の「小説家を見つけたら」も、
監督や出演者が重複していて面白いな、と思って付け加えたんだ。

明日の映画は何だと思う?これが当たったら凄いな。

では、この辺で。
今度一緒に映画を見に行こう。

P.S.
今日は、君が大好きなこの主演俳優の名前を、
一回も書かずに終わらせてやりました。気がついてた?
この映画の脚本は、彼と、
その親友役をやっていた、ベン・アフレックとの共著だよね。
ウィルを演じる彼自身も才能ある人物というわけです。

そして明日の映画の監督も、俳優でありながら、
監督として映画を撮ることもする、という才能ある人物です。
そしてやっぱり「天才」が出てくる。

これがヒントかな。

「天賦の才(3)」に続く...
天賦の才(1) 小説家をみつけたら」はこちら →

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