LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

愛しのローズマリー Shallow HAL

前略、元気ですか?
僕は元気です。

この間、「愛しのローズマリー」という映画を見ました。
映画を見たと言っても、DVDです。

この映画、僕は知らなかったし、
見ようと思っていたわけでもありません。
じゃあ、どうして見たかというと、会社の後輩が、
このDVDをコンビニで買って来て、暇だから一緒に見ませんか?
と来たわけです。

お互い、仕事の都合で、マンスリーマンション暮らしの身。
たまの休日に、一緒に暇つぶししましょう、というわけです。
まあ、大の男が休日に2人でパソコンの画面で、DVDを見るって、
ちょっと悲しいものがあるね。

でも、せっかく誘ってくれたので、まあ、見てみました。

彼が買ったDVDは、
メリーに首ったけ」という映画と、
この「愛しのローズマリー」の2枚がパック。

両方ともファレリー兄弟という人達が、監督・脚本です。

僕は「メリーに首ったけ」は、昔、公開された時に見ていました。
キャメロン・ディアスが出ていて、かわいかったのは覚えていますが、
その他には特に印象はありません。
なんか下品なギャグが多かったような気がします。


俺は「メリーに首ったけ」は見たから「愛しのローズマリー」を見て、
あとは、飲みに行こうよ、なんて言いながら見始めました。

グイネス・パルトローという女優さんが出ています。
この人が出ている映画は、前に「偶然の恋人」というのを、
見た覚えがあります。確か、ビデオを借りてきて、
君と一緒に見たと思うけど、覚えている?

その時の僕のグイネスの印象は、きれいだけど、時々、
暗そう、というか妙に疲れているというか、そんな見え方をする女優さん、
というもの。
映画の役にあまり関係ない影のようなものが見えてじゃまくさい、
と思った記憶があるけど、君はどうだろうか?


さて、映画の方は、「メリーに首ったけ」みたいな、
ちょっと下品で、笑わせるコメディーかと思って見始めたんだけど、
意外なことに、テーマが深いな、と思いました。

病院のベッドで、モルヒネで混乱した状態の父親が死の前に言い残した、

「とびきりの美女をものにしろ。
 バツグンのケツと、ピカイチの巨乳だ。」

というコトバに影響されて、
女性の外見だけに価値を置いて、
美女ばかりを追いかける男に成長したハル。

彼が有名なセラピストに、
心の美しい人が美女に見えるようになる催眠術をかけられる。

本当の見た目が、醜かったり、とても太っていたりしても、
心が美しければ彼には、とびきりの美女にみえるようになる。


そして彼は、実は136キロの巨体の女性、ローズマリーに恋をします。


彼には、ローズマリーがもの凄い美女(グイネス・パルトロー)に
見え、絶世の美女とつきあっているつもりだけども、周りの人にとっては、
彼女はもの凄い太った女性であることから、いろいろなすれ違いやら、
勘違いが起こって・・・・という映画です。


映画の後半、ハルは、友人によって、
セラピストがかけた催眠術を解かれてしまいます。
今までとびきりの美女だと思っていた、
ローズマリーの本当の姿を見なければならなくなるわけです。
でも、見る勇気が出ずに、彼女を避け始める。

この時のハルと友人の会話が興味深いと思いました。


「ひどい奴だ、美人で知的な最高の美女が恋人だと
 思っていたのに、消しちまった。」

「違う。本当のローズマリーを出現させたんだ。
 つまり現実だ。」

「見て、聞いて感じられたらそれが現実だろ?
 お前にとって最高の恋人を皆が彼女をブスだと言ったら?」

「そんなの平気さ。気にしないよ。」

ローズマリーの場合もおんなじだよ。
 他人がどう思おうと知るか!」

「ごめん、そういう風には考えなかったんだ。」


まあ、正確な台詞じゃないけど、こんな感じの会話があるんです。

僕達が恋する時、催眠術なんかかけられてなくても、
多かれ少なかれ、恋は盲目っていうところはあるよね。
そんな恋をすることは幸せなことではある。

でも、あまりに現実ばなれしていたら、
周りは受け入れ難いだろうし、自分がそういう恋をして、
周りから見て明らかに相手を客観的に見ることができないと
思われたりしたら、なんか嫌だな、とも思ってしまう。

なんてことを考えました。
このシーンの後、ハルは悩みます。

友達は、本当のローズマリーを見たら、
ショックで2度と彼女に恋することはできないと言う。
でも、自分は彼女を愛している筈だ。
だからやっぱり彼女と会うべきなんじゃないか。


誰でも、人を好きになるけれども、
じゃあどこを好きなのか、はっきり言うことは難しいよね。

外見も内面も大切だとか言うことは簡単だけど、
逆に、僕は君の内面が好きなんだと断言することは、
なかなか難しいことなんだよなー、と思いました。


僕達は、どんな相手の、
どんなところを、どんな風に好きになるんだろうか。


そんなことを考えさせられました。
というわけで、愛しのローズマリー、思いのほか面白かった。
まあ、君に、是非見てくれ!と言う程でもないけどね。


また、手紙を書きます。
今度、一緒に映画を見に行こう。


公式サイト(ココロの透明度チェックとやらがあります。)
http://www.foxjapan.com/movies/shallowhal/shaker.html


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