LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

ブルース・ブラザーズ The Blues Brothers

前略、元気ですか?
今週は寒波のせいでとても寒い日が続いたけど、
元気にしていますか。風邪などひかぬように、気をつけて下さい。


僕は今週は、仕事の都合で朝早く出勤していたんだけど、
こんなことがありました。

朝早くて、まだあまり混んでいない電車の中、
ある駅で電車が止まり、ちょっと太った人が乗ってきました。

その人は、濃紺のスーツを着ていて、ちょうど後ろから朝日が、
さしていて、後ろからの光を浴びながら乗って来たという感じ。

これを見て僕は、?この光景どっかで見たことがある!
と思った。でも、どこで見たか分からない。

まだ、眠い頭で、必死に考えます。いったいどこで見たんだ?


こういう時って一度気になりだすと、
気になって気になって仕方がないものだよね。

よく考えてみよう・・・

その人は、濃紺のスーツを着ています。ネクタイは細め。
太った体型で、丸い顔をしています。顔は、微妙にフーテンの寅さんに、
似ていますが、そういう日本的、下町的世界とはかけ離れた、
光景だったような気がします。
だいたい、寅さんは光を浴びたりしないし。

うーん、何だったんだろう。こういう時何かのきっかけで、
突然思い出すと神の啓示を受けたような気分なんだよなあー。

・・・
・・・
・・・

「神の啓示」というコトバに僕が神の啓示を受けた。
「そうか、あれはブルース・ブラザーズだ・・・」

ブルース・ブラザーズと言えば、
刑務所から出所したてのジェイクと、弟分のエルウッド、
この2人が、自分達の育った教会の孤児院が税金を払えず、
つぶされてしまいそうな危機を迎えているのを知り、
そのピンチを救うために昔やっていたバンドを再結成するという映画です。

彼らはジェームズ・ブラウン扮する牧師が歌う教会で、神の啓示
を受ける。そしてバンド再結成を思いつくんです。

バンドでもうけりゃ、金が払える!

さっきのシーンは、ブルース・ブラザーズの冒頭、
ジェイクが刑務所から出てくるシーンに似ていたんだ。

ジェイクが刑務所の門から出てくるんだけど、
別に後ろから太陽があたっているわけでもないのに、
ジェイクの背後から光がさしているんだ。まさに後光に包まれている!

さずが、神の使者。

とすると、さっきのおっさんも神の使者かも。

と、そのおっさんが、やおら立ち上がり、僕の目の前を、
バク転しながら後ろの車両へ去って行った・・・・

顔が寅さんでも、ホントはジェイクのスーツは濃紺じゃなくて、
黒だけど、レイバンの黒いサングラスもしていないし、帽子もかぶってないけど、
きっとあのおっさんは神の使者だったに違いない。

その日は一日中僕の頭の中で、ソウルマンが響いていました。

人は教会で神の啓示を受けるけれども、
阪急電鉄千里線の車両の中でも受ける。

クールな神の使者は、
シカゴにいるかも知れないが、大阪府吹田市にもいる。


というわけで、通勤電車の中で、
ブルース・ブラザースという映画を、思い出しました。

この映画、とても面白いよ。
バンド再結成を決意した彼らは、昔のメンバーを集め、
バンド活動を再開するけど、税金を払う期限がせまってくる。

一発大きくもうけなければならないので、
大きなホールでのコンサートをやることにして、
なんとかお金を工面しようとする。

とまあ、こんなストーリーだけど、その間にとんでもない
ドタバタがたくさんある。

信号無視を見つかって、つかまりそうになり、
パトカーとカーチェイスをして、ショッピングモールに、
車ごと突っ込んで、破壊しつくしてしまったり、

橋の上でナチの人々が集会をしているせいで、
道が渋滞していれば、橋の上へ突っ込んでいって、
ナチの連中を全員、川に落としてしまったり、

バンドの連中に金を払うために、
ホントは全く違うバンドが出演予定の店に行って、
俺達がそのバンドだなんて言って、すりかわってしまったり。


そして、この、ブルース・ブラザーズにひどい目に合わされた
人たちが全員、彼らを付け狙い、追いかけてきます。

さらにもう一人、強力な追っ手がいて、それは、
ジェイクが昔付き合っていて、結婚式をすっぽかした女性。
この人、火炎放射器だの、ロケットランチャーだの、機関銃だの、
ラジコン爆弾だの、いろんな兵器を持っていて、執拗にジェイクを
追ってくる。

警察、ナチ、バンド、武装元婚約者に追われて、彼らは無事に
コンサートを行い、税金を払うことが出来るのか!?
捕まってしまうのか、それとも神の使者はやっぱり捕まらないのか。

最後のカーチェイスには、それこそパトカーの山が出来ます。
あんなにたくさんの車がクラッシュする映画、他に無いと思う。
しまいには、軍隊(SWATかな?)のヘリコプターまで追ってきます。


というどこまでも笑えるストーリーに加えて、
ジェイムズ・ブラウンキャブ・キャロウェイ、レイ・チャールズ、
そして、アレサ・フランクリン!といったミュージシャン達が出てきて
歌を歌っています。

ブルース・ブラザーズバンドのメンバーも、
ブッカーT&M.G’sのメンバーとか、
凄い人がたくさん出ていて、僕にはとても嬉しい映画です。


ジェイク達が薄汚れているのが、
もしかしたら、君のお気に召さないかも知れない、
なんて思ったりもしますが、そこが、カッコイイところなんだ。

安くDVDも出ているので、是非見てください。
笑えるよ。

では、また手紙を書きます。

今度、一緒に映画を見に行こう。
今日はこの辺で。