LM * The Letters about a MOVIE.

映画に関する君への手紙。

東京タワー

前略、元気ですか?
今日も映画を見て来ました。

黒木瞳が出ている、 東京タワー
なんでこの映画、わざわざ見に行ったかというと、
なんとなく、素敵な恋愛映画を見たくなったんだよね。

恋はするものじゃなくて、落ちるものだ-

なんて、もしかしたらホントに素敵な恋愛を見せてくれるのかも、と思わせるよね。


でも、素敵な恋愛って、どんなものだろう。
なかなか難しいとは思うけど、男性が見ても女性が見ても素敵だと
思えるような恋愛映画ってあり得ると思うんだけれども、
少なくとも、この映画、全然素敵な恋愛を見せてはくれなかった。


2人の女が出てくる。

黒木瞳と、寺島しのぶ
2人とも既婚で、若い、二十二、三歳の男をつき合っている。
これが岡田某、松本某。

この2組の恋愛を平行して見せられるわけだけど、黒木瞳の方は、
これは、恋愛と言えるのか?

男の立場から言うと、この岡田某の役、意思がない。
ただ、ただ、黒木瞳に振り回されているだけなんだ。
いくらなんでもあんな男はいない、と思ったね。あれじゃあ、お人形だ。
趣味嗜好まで、黒木瞳の薦めるもので埋められている。

黒木瞳の方が彼に執着する理由もよくわからない。
とにかくこの2人の関係はあまり恋愛とは言えないなあ、と思った。
なんと言うか、それなりにお金に余裕のある女性が夢想する、
手がかからず(自分のエネルギーを必要以上の投入せずに)、
それなりに楽しめる関係、という感じかな。

10代くらいの女の子が、カッコイイ大人の男に振り回されて、
あれこれしょうもないことを悩まされて、見ている方は、
ハラハラ、ドキドキ・・・
って、少女漫画とかでありそうな、ストーリーでしょ。
これの男女を入れ替えて、ついでに視点を振り回される方から
振り回す方に変えたらこんな感じかな。

そして、これだけじゃあ、大人の(?)恋愛映画にならないので、
寺島しのぶの方の話をくっつけたのかも知れない、と僕は思いました。
まあ、原作を読んでみたら、ちょっと違うのかも知れないけど。

というわけで、寺島しのぶの方の2人の関係は、
ちょっとは恋愛っぽくて、まだ、見応えあるかな。

考えて見ると、黒木瞳ストーリーの方の登場人物は、

黒木瞳/岡田某/黒木のだんな/岡田の母親

だが、寺島しのぶストーリーの方は、

寺島しのぶ/松本某/寺島のだんな/だんなの母親/
松本が昔関係してた主婦の娘にして松本の同級生である平山あや

と、多少は濃い人間関係になっている。

ということは、この話、もしかしたら、
黒木瞳の夢の世界と、寺島しのぶの現実の世界

という話なのかも。
まあ、どうでも良いけどね。


ということで、今度一緒に映画を見に行こう。
今日はこの辺で。


※これを読んだら謎が解けるかも・・・
原作:東京タワー 江國 香織

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ブログタイトル:(売れないシナリオライター)KAZZの呟き!
記事:東京タワー Tokyo tower 4本目(試写)